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メールマガジン「オルタ」162号(2017.6.20)

◎ 心の中を罰する共謀罪反対
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【オルタの視点】 
中国の北朝鮮政策の大転換―東アジアの「脱冷戦」の梃子になるか                                    朱 建栄

中国の北朝鮮政策は大転換を遂げている。 にもかかわらず、日本のマスコミや評論家の多くは、これまでの「常識」=中国は北朝鮮をかばう、その核を結果的に容認、米中間の対決は不可避、で錯綜する動向を解釈しようとしている。ステレオタイプの思考様式に中国の外交動向を当てはめても、認識の混乱を深めるばかりだ。北朝鮮は文化大革命以来の名指しの中国批判を展開しており、「50年来の最も厳しい国際環境に置かれている」と認めている。中国の外交部長と米国務長官はほぼ週に一回電話などで協議を行っている(中国側の報道)。一連の新しい動きから中朝関係、米中関係の深層に及ぶ変調は窺えるはずだ。先入観を排除した観察と思考が求められている。中国の北朝鮮政策は大転換を遂げている。
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<対談>
天皇退位特例法について~小沢一郎自由党代表に阿部知子議員が聞く                             小沢 一郎阿部 知子

【阿部】 特に天皇の退位問題で小沢さんに伺いたいのは、これについて小沢さん、あるいは自由党の他には誰も明確に述べていないからです。まず、お話を伺う前提として今の国会の状況について、共謀罪が来週中にも、数の多数で参議院で成立するように言われていて、加計学園、森友学園問題などもあり国民の中にはなんでこればかり急いでやるのかという疑念の声もあります。小沢先生は長い政治生活をお過ごしですから今の状況をどのようにご覧になっておられますか。
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【オルタの視点】
俳句」まで殺された時代―『共謀罪』の拡大解釈に不安はないのか                                     羽原 清雅

『共謀罪』法案が成立した。 特別秘密保護法、集団的自衛権の拡大解釈、個人情報保護法の行き過ぎた運用、そして「一強政権」による忖度行政と違法的特別優遇、さらに事実関係の隠蔽やごまかし答弁・・・・相次ぐ強引な制度つくりが進められている。そのあとに、改憲が待ち構える。 そんな大きな転換期を押し付けられる中で、103歳の元衆院議員奥野誠亮氏が亡くなった。彼は戦前、鹿児島県の特高課長として「俳句」を理由に治安維持法違反で新聞記者らを検挙した実績がある。
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【オルタの視点】 
迫る「九条加憲」と「国民投票」の問題点
                                白井 和宏

特定秘密保護法、安保法制、盗聴法(通信傍受法)の適応拡大、そして共謀罪法も成立した。まさに戦前回帰の流れが強まっているが、これからいよいよ日本の将来を決する重大な局面に入る。今年5月3日の憲法記念日に安倍首相は、「2020年までに、憲法9条3項に自衛隊を明記する」と主張。ついに9条改憲に向けた国民投票が実施される可能性が高まっているからだ。
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【オルタの視点】 
100歳の誕生日に― むのたけじさんとの長い旅(7)   河邑 厚徳

2015年は敗戦から70年の節目となった。その正月の1月2日は、むのたけじさんの誕生日である。朝9時ごろに自宅に着いたが、外にカメラを構えたテレビ取材陣が待っていた。1915年に生まれて、この日に100歳を迎えたむのさんはどんな顔をして、何を語ってくれるのだろうか。
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■【国民は何を選んでいるのか】
国政選挙から読み解く日本人の意識構造(2) 政治改革は選挙制度改革だったのか?~「小沢政局」の功罪                 宇治 敏彦

今回の主題は1990年代から2000年代初めにかけて日本政治の主導権を握った小沢一郎氏(自由党党首)の活動を中心とした「政治改革」の是非である。全盛期には「小沢政局」といわれるほど彼がウンと首を縦に振らなければ何事も前に進まなかったが、新進党、民主党などを経て、現在は山田太郎氏と共同代表を務める小政党のリーダーに甘んじている。田中角栄元首相の秘蔵っ子として「自民党のホープ」であった時代から1955年体制(自社2大政党ないしは自民一強時代)崩壊のきっかけを自らつくった。いまは「安倍政権崩し」のために共産党とも接触し「全野党共闘」を主張するなど、その行動は右から左へと大きくカーブしているようにも見える。彼が全盛期に主導した「政治改革」=「小選挙区制の導入」は、果たして日本の民主政治の大きな前進につながったのであろうか?
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【海峡両岸論】
中国が「いずも」の活動を標的に~潮目変わり始めた南シナ海                                        岡田 充

南シナ海の「潮目」が変わり始めた。昨年7月の仲裁裁判所の決定で最高潮に達した中国非難の「大合唱」は鳴りを潜めた。中国は東南アジア諸国連合(ASEAN)と、平和的解決に向けた行動規範の枠組みに合意。米トランプ政権は5月25日、「航行の自由」作戦を政権発足後ようやく再開。マティス米国防長官も6月3日、シンガポールのアジア安全保障会議で「一方的で威圧的な現状変更は容認しない」と、中国をけん制した。しかし、言動がくるくる変わるトランプ政権への東南アジア諸国の視線は安定せず、以前のような迫力はない。一方中国は、海上自衛隊のヘリ空母「いずも」(写真1)が、南シナ海で米軍と共同演習や沿岸国へ寄港するなどの行動に神経を尖らせ、対米批判より、日本を標的にした批判が目立っている。
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【沖縄の地鳴り・追悼】     
[[生涯を「平和」に捧げる―大田昌秀元沖縄県知事逝く                                            大山 哲

6月12日、92歳の誕生日に逝去された元沖縄県知事・大田昌秀さん。凄惨な戦争体験から滲み出た平和への志と、生涯をかけて「日本にとって沖縄とはなにか」を問い続けた、類ない存在だった。
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≪コラム≫海外論潮短評(117)
高度成長期は歴史の一瞬―低成長こそが歴史的ノーマル―                                           初岡 昌一郎

アメリカの国際・外交問題専門誌『フォーリン・アフェアーズ』5/6月号が、「ブームはブリップだった ― 低成長に慣れる」という論文を掲載している。ブリップとはコンピュータ画像で、飛行物体などの移動を示す点滅のシグナルのこと。その論文要旨を以下に紹介する。
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≪コラム≫宗教・民族から見た同時代世界    
インド政治を動かしてきたヒンドゥー・アイデンティティの象徴・牛                                    荒木 重雄

ヒンドゥー至上主義団体出身のモディ首相が「一強」を誇る政治状況を背景に、ヒンドゥー教徒が神聖視する牛をめぐる話題がまた、ニュースに散見されるようになった。いわく、牛を運んでいたイスラム教徒がヒンドゥーの暴徒に襲われたとか、食肉店が放火されたとか、食肉処理場が閉鎖されたとかである。古くて新しい、インドの宗教と牛の関係を探訪してみよう。
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≪コラム≫中国単信(46)  
中国人の思考様式を探る                  趙 慶春

前回、半年足らずの間に、虎に襲われて死亡する事件が二件続いたことを紹介しながら、中国人の思考様式とはどのようなものなのか、少し触れたが、今回もその続きである。
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≪コラム≫槿と桜(34)  
「先生様」と「さようなら」               延 恩株

「弊社の社長が明日お越しになります」  「お父様が私(嫁)からの誕生日プレゼントをお受け取りになって「ありがとう」とおっしゃいました」   いきなりですが、ゴチック部分の日本語をこの場面で使ったらどうでしょうか。「日本語がわかっていない」「教養がない」と烙印を押されてしまうと思います。とはいえ私などもこの手の間違いはそう珍しくないのですが。
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≪コラム≫風と土のカルテ(39)  
新専門医制度、地方の現場は依然強い懸念       色平 哲郎

地方で診療に携わる医師の目から、日本専門医機構と各学会が来年度の「再スタート」に向け準備を進めている新専門医制度を見ると、懸念材料が多々ある。
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≪コラム≫【酔生夢死】
相似って、言われるけどさ                 岡田 充

「朝鮮は台湾にとって“救星”(救いの星)だよ」。台北のホテルで旧知の台湾政治家と昼食を摂っていると、彼がこう切り出した。「救いの星?」。まるで毛沢東か「金王朝」を象徴するみたいな二文字を聞いて一瞬、その意味を測りかねた。「歴史をみて」と彼は続けた。
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≪コラム≫【大原雄の『流儀』】
大統領と役者(1)                    大原 雄

アメリカのトランプ大統領は、マスメディアで報じるニュースのうち、自分に不利になるニュースはフェイクニュース(嘘のニュース、軍事なら「謀略放送」など)と決めつけて、事実を否定し、無視を決め込む。そして、ポストトゥルース(客観的な事実や真実を重視せずに、感情的な訴えを強弁すれば、した方が勝ちという政治状況のこと)、オルタナティブトゥルース(真実とは違うのに、もう一つの別の真実があるという論法。真実はひとつだろうに!)など自分の都合の良い情報だけで身の周りを固めて政策判断をして行く。この判断は虚偽の、あるいは現実とは乖離した結論を導く。
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≪コラム≫【技術者の視点】(12)
福島の復興                        荒川 文生

●福島原発事故費用   龍谷大学政策学部・大島堅一教授が2017年6月時点で示した福島原発事故費用は下表のとおりです。(金額の欄の数値には、夫々計算の根拠が有りますが、筆者が省略しました。)
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≪コラム≫【あなたの近くの外国人(裏話)(9)】
日本語スピーチ大会さまざま               坪野 和子

もう梅雨、私事ですが、今年度は2校兼務となりました。昨年まで勤めていた高校では「学習サポーター」ということで英語科のT.Tを兼ね、放課後は外国ルーツの生徒の日本語・教科学習指導という役割になりました。また新たに勤めることとなった定時制高校夜間部では職名は、昼間の学校の時の職名「日本語コミュニケーションアドバイザー」から「多文化共生推進員」と変わりました。この仕事は主に日本語指導と授業中の学習補助を行います。
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≪コラム≫【ザ・障害者】
世界に類のない日本の盲人史 (3)           堀 利和

鍼灸あんまの話に戻りますが、近代資本主義が産声をあげて、地方の農村から労働力として人口が都市に流入してきました。しかし、資本主義経済は好景気ばかりでなく、不況や恐慌があるわけで、失業した人たちがあんま業などに入ってきて盲人の職場を侵食します。
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≪コラム≫ 
フォーカス:インド・南アジア(10)          福永 正明

アイシン精機(本社:愛知県刈谷市、東証1部、トヨタグループの自動車部品メーカー、連結売上高約3.2兆円)グループのインド現地会社工場で、大規模な労働争議勃発している。
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【北から南から】
中国・吉林便り(17)婚姻は慶事とは限らない                   今村 隆一

吉林に住んでいて最近はたと気付いたことの一つがスマホ普及の実態です。回りの誰もが持っているばかりでなく、それが生活スタイルの変化となっていることです。大学生の中にスマホだけ持って教室に入る者が増えてきているのです。教科書はスマホの中に。だから彼等にはペンとノートは必要ありません。授業中はスマホとにらめっこ。辞書もスマホの中にあるのですから、調べるのもスマホでします。もちろん未だこのような学生は多くはありませんが確実に増えていて、私にはスマホ活用の多様化とスマホ依存に見えます。
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【日本の歴史・思想・風土】 
元号に思う                        平良 知二

天皇陛下の退位が可能となる特例法案が国会で可決された。  これにより来年、平成30(2018)年末に現天皇は退位し、2019年早々には皇太子が新しい天皇の座に就くことがほぼ確定した。各種の儀式などの細かい段取りや日程はこれから決めていくことになるのだろうが、元号(年号)も変わることになり、「平成」からどういう元号になるか、国民的関心も高まっていくだろう。
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【本を読む】 
『流砂』13号                       三上 治

ひと昔前なら小さな書店に所せましとばかりに積まれていたミニコミ雑誌があった。今はあまり見かけなくなってきている。『流砂』はそんな雑誌である。そのようにイメージしていただければいいのだろうと思う、この雑誌は60年世代(1960年世代)の遺言の場として栗本慎一郎によって提起された。ただ、栗本の体調もあって、共同編集者の三上治が主に編集・発行を担当し現在に至っている。今では13号まで号を重ねている。
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【書評】
『新・所得倍増論』   デービッド・アトキンソン/著 東洋経済新報社刊/刊                                  岡田 一郎

著者のデービッド・アトキンソンは、元金融アナリストの知日派イギリス人で、現在は文化財修復を業とする小西美術工藝社の社長を務めながら、日本経済・文化財保護、観光政策などに幅広く提言をおこなっている。同じ東洋経済新報社から刊行した『新・観光立国論』がベストセラーになったり、ETV特集でその人物像が取り上げられたりしたので(「日本の文化財を守れ~アトキンソン社長の大改革~」2017年4月29日放送)、その名前を聞いたことがある方は多いと思う。
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【社会運動】
社会の分断を消す選択肢をつくる             井手 英策  

「貧民救済」政策が、社会の分断を深めていると井手英策さんは指摘する。 富裕層も貧困層も、同様に税金を払い、同様に給付を受ける仕組みは、必ず格差を縮小させる。すべての人が受給者になれば社会の分断線は消せると断言する。  「にわかには信じがたい」と思う人もいるだろうが、本稿では、社会のコペルニクス的大転換が構想される。次世代を苦しめないために、現在を超える構想力が求められている。        
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【エッセー】
江田三郎没後40年の感懐―老いるとは未知との出会い―(2)                                      仲井 富

◆江田三郎は叙勲を断り園遊会に出席せず   私はわが師江田三郎に17歳から44歳までの27年間師事した。だが、没後40年を経て、知っているようで知らなかった江田さんの一面を、84歳まで生きて知ったことが多々ある。江田さんが戦後の岡山県議の時、有名なブリ事件で県議を辞めて信任を問い、落選して浪人したことや、あるいは宮中の招宴に一切出なかったことなどについても知ることができた。なにしろ過去を語らない、後ろを振り向かないで前へ前へと進むのが好きだった。
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【自由へのひろば】
障害者差別解消法改正から1年  岡山地裁で「合理的配慮」に対する画期的な、しかし当然の判決でる!                                                      柳 赫秀

障害者差別解消法から施行1年がたった。「合理的配慮」の観点から、岡山短大の視覚障害を理由とした配置転換を無効とする画期的な岡山地裁判決が出された。その意味は大きい。  3月28日に、岡山地裁倉敷支部が「配置転換無効」の判決を出した。
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【データ・にっぽん】(1)
【データ・にっぽん】(1)               浜谷 惇
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【「労働映画」のリアル】
第21回労働映画のスターたち・邦画編(21)高橋一生      清水 浩之

《そっと見守られたい! あなたの職場にもきっといる?「参謀彼氏」》 今年のNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』(2017)。放送が始まるまではどんな内容になるか想像できなかったが、戦国時代を舞台にしながら、「同族経営」の中小企業を任された「お嬢さん社長」の奮闘記として話が進むようになってから、俄然面白くなってきた。
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【追悼・西村徹先生】
オクシモロン(臆子妄論)八十翁の誕生(2)―身近に接した西村徹先生(大阪女子大学名誉教授、英文学)―              木村 寛

● 三、西村徹著『オーウェルあれこれ』(人文書院、1993)と(英語本)『一九八四年』へのエーリッヒ・フロムのあとがき   西村先生は文学部を立ちあげられた桃山学院大学に勤務中、この本を出版された。
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【宇治万葉版画美術館】(2)             宇治 敏彦

「年月もいまだ経(へ)なくに」で始まる万葉集第7巻1126の歌は作者不詳だが、故郷の明日香を偲んで詠まれた一首。「故郷を離れてまだそんなに経っていないのに明日香川の瀬にあった石橋はもう無いようだ」。一つ前の歌も明日香の甘南備の丘を懐かしく歌い上げており、同じ作者によるものとみられる。
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【川柳】                        横 風 人

経済が 「生殺与奪」へ 核も超え?   記憶なく 記録なき官僚 「役目」で逃げ   民主主義 壊す「共謀者」 自公維ども'
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【編集後記】                      加藤 宣幸

◎南スーダンの戦闘日報・森友学園の値引き記録・加計獣医学部の異常認可と続く理不尽な公文書管理と国民を小馬鹿にした菅官房長官の強弁。御用メディアを使って当事者のスキャンダルを暴露するなどに国民は納得しなかった。一強に驕る安倍政権は悪法共謀罪法を強行採決し国会を閉じ追及を逃れようとしたが、高まる国民の批判に、文科省は文書の存在を認めることに追い込まれた。
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■【ご案内】

『国民投票の総て』発刊記念講演会 (7月7日・大阪市)
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■【ご案内】

ついに9条「改正」!? 国民投票の問題点 (7月15日・新宿区)
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